不登校になって子どもの生活リズムが崩れてしまって・・・
何度も早く寝るように言っても全然聞かないんです。
厳しくいってもなかなか改善しないケースは結構多いです。
今回は生活リズムの整え方について大事なことをお話させていただきますね。
不登校になると生活リズムが崩れる
不登校になると、昼夜逆転したり、食事が1日1食になったりと、規則正しい生活が送れなくなることがよくあります。
中には一日中ゲームやYouTube、TikTokを見るだけで過ごすなど、傍から見ればだらけているように見えます。
こうした子どもの現状を見ていると、親としては「何とかして規則正しい生活を身につけないといけない!!」と思って厳しく注意したり、口やかましくしたりとする方も多いです。
注意しても生活リズムが改善するケースは少ない
これは私が民間のカウンセリングルームを運営しているためかもしれませんが、相談に来られるお母さんの中で「口うるさく言ったら規則正しい生活に戻った」と言う人はほとんどいません。
逆に「昼夜逆転が悪化した」「目も合わさなくなった」「部屋に引きこもるようになった」など、子どもとの関係が悪化したケースをよく耳にしています。
つまり、厳しくいったところで、改善したケースは圧倒的に少ないのです。
生活リズムが崩れる子、崩れない子の違い
ここで不登校の子を2つのパターンに分けたいと思います。
まず生活リズムが崩れる子は多いですが、一方で生活リズムが全く崩れない子もいます。
あるお子さんは、朝7時に必ず起きて、9時からドリルをやって、ゲームや動画は一切見ない生活をしていると聞きました。
多くの親御さんにとっては夢みたいな話ですよね。
そうしたお子さんの違いについてですが、もちろん気質やその子の持っている力もありますが、一番は「親子関係が良好かどうか」というのが一番のポイントになっているようです。
子どもが朝起きれなくなる理由
子どもが朝起きれなくなる理由についてはいくつかあります。
一つは学校に行くことでエネルギーが消耗しきってしまい、朝起きる力が出てこないケースです。
これは不登校になって初期の段階ではよくあります。
二つは朝登校する子どもたちを聞いたり、学校に行けない罪悪感から朝起きるのが辛く成っているケース。
この場合は8時30分を過ぎると起きてくることが多いです。
ただ、親としてはモヤモヤが残りますが・・・。
最後に、お父さん、お母さんが機嫌が悪いのを察知して、朝起きるのが嫌になっているケースです。
繊細な不登校のお子さんは、朝起きた瞬間に家族の雰囲気を敏感に感じています。
その結果、「あ、家の雰囲気が悪い」と察知してしまうと、朝起きるのが嫌になるのです。
このケースでは昼夜逆転してしまうことがよく見られます。
子どもの状態をしっかりと理解すること
生活リズムが崩れている場合に最初に考えたいのは、
- 規則正しい生活を送るだけのエネルギーがない
- 罪悪感を感じていて、心のバランスが崩れている
- 家庭内の雰囲気が悪く、それどころじゃない
上記の内のどれなのかを知るということです。
- であれば、まずはゆっくり休ませる支援が有効です。
- であれば、「大丈夫」と言う声掛けをしていきましょう。
- であれば、家庭の雰囲気を良くしていくということが大切になります。
ちなみに、上記の内で一番最初に取り組んだ方がいいのが
「家庭の雰囲気を良くする」ということです。
家庭の空気が悪ければ、ゆっくり休むことなんてできませんからね。
〇〇の雰囲気を良くすることがカギ!
そのため、規則正しい生活を送れるように子どもをサポートするためには、家庭の雰囲気を良くしていくということが大切です。
あるケースでは、昼夜逆転がひどかったお子さんがいますが、お母さんが変わり、家庭の中がほっとする空間になるにつれ、少しずつ朝早く起きれるようになってきました。
以前はゲームに没頭して、一緒にご飯を食べることができなかった子でも、家庭の空気が変わり、親子関係がよくなるにつれて、少しの声掛けだけで食卓に座るようになったお子さんは結構おられます。
昼夜逆転するというのは、昼間に居場所がなく、夜に居場所を求めているということです。
その背景には、家庭の空気が悪く、親や兄弟を警戒してしまっているということがあります。
それがなくなるだけで、昼夜逆転は解消していきます。
自分でリズムを立て直すことが大切
大事なことは、親に言われて生活リズムを立て直したというのではなく、自分で決めて選んでリズムを立て直したということです。
これが実は一番重要な事なんです。
例えば、私が大学生のころというと、先の見通しが全く見えず、どうしていいかわかりませんでした。
そうなると自然と昼夜逆転となってしまい、そのことで親にも叱られた記憶があります。
この時、無理やり規則正しい生活を送ろうとしてもほとんど意味がないんですよね。
朝起きても「どうしよう」という不安が襲ってきて、根本的な解決にはつながらないのです。
幸運にも仕事に恵まれ、やりがいを感じ始めたとき、自然と生活リズムは規則正しくなってきました。
前向きな気持ちが出てくると改善していく
これと同じようなことが不登校の子どもにも言えます。
まずは家庭の中の空気を良くしていき、その中でやりがいや楽しいことが見つかってくると少しずつ気持ちが前向きになってきます。
その変化がとても大事なのです。
子どもを無理やり変えるのではなく、子どもが自分から「変わりたい」という思いを応援していくことで、子どもはどんどん変わっていきます。
その変化が生活リズムを改善し、子どもの生きる力を伸ばしていくエネルギーとなるのです。
まとめ
この記事のまとめです。
生活リズムの崩れについては、無理やり変えたいと思うのでなく、子ども自ら「変わりたい」という思いを育んでいくことが大切です。
そのためには、まずは子どものことをどう理解するかというのが近道です。
「規則正しい生活」にこだわることなく、その子が幸せな人生を歩むためにはどう関わればいいか、幅広い視点で見ていってください。
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