実は子どもが過呼吸になってから学校に行けなくなっちゃって困っているんです
過呼吸になって・・・ということは
外出するの怖がっていませんか?
あ、はい。最近は玄関から出るのも怖がっています。
なるほど。パニック障害の症状ですね。
そうなんです。どうしたらいいでしょうか?
パニック障害とはどんな病気?
よく一般的に、過呼吸や動悸が起こる状態をパニック障害と言われていますが、実はそれは誤りです。
パニック障害とは、以下の3つがそろったときに起こります。
- パニック発作
動悸、息苦しさ、めまい、過呼吸といった予期せず起こる身体症状 - 予期不安
次もこのパニック発作が起こるんじゃないかという不安 - 広場恐怖
予期不安のために、外に出るのが怖くなり、外出ができなくなる。
つまり、過呼吸や動悸だけではなく、それを恐れてしまって外出が困難となってしまう状態が「パニック障害」なのです。
なので、パニック発作がないからパニック障害というわけではなくて、それを怖がってしまって外に出れないのであれば立派なパニック障害となります。
パニック障害の治療法とは?
パニック障害の治療法は、基本は薬物療法と精神療法が中心となります。
まずお薬によって、不安やパニック発作を抑えていきます。
そして精神療法によって少しずつ広場恐怖を改善していきます。
最近は認知行動療法が主流になってきています。
ちなみに、パニック発作は(本人にとっては)急に現れるので、
かなりトラウマティックな経験となります。
なので、トラウマ除去を目的とした心理療法も効果がある場合が多いです。
不登校とパニック障害
不登校とパニック障害にいくつかの要因が考えられますが、以下に代表的なもの2つを紹介させていただきます。
①ストレスとパニック障害
パニック障害から不登校になってしまうお子さんは結構おられます。
これについては、いくつか考えられることがあります。
まずは不登校特有の繊細さや感受性の高さからストレスがキャパオーバーしたため。
パニック発作については選択理論理学の観点から以下のメカニズムが考えられます。
(テイクチャージp128~136「創造的過程の心身症」より)
例えば、ストレスフルな状況だと人の脳はそれに対抗しようと活発に活動します。
これは動物脳や爬虫類脳と呼ばれる感情や生理反応を司る部分が働いているため、私たちはストレスに対して半ば自動的にアドレナリンを出して、ストレスに対処しようとするのです。
そして、人間脳と呼ばれる理性を司る部分はストレスに対処するよう動物脳や爬虫類脳に指示を送り続けます。
具体的に言えば、「頑張らないといけない」「耐えないといけない」と思って、そのための指示を体全体に送っている状態です。
そのため、いつでも臨戦態勢に行けるように心臓もいつもより早く脈打っています。
ただ、この時点では絶妙にバランスを取っていて、何とか日常生活を送れている状態です。
しかし、ちょっとしたきっかけ(例えば、友達の罵声、熱中症、先生の叱責、失敗体験など)によって、そのバランスが崩れてしまった時、一気に心臓に負担が来てしまい、過呼吸や動悸と言ったパニック発作が起こってしまう場合があります。
もし、お子さんが学校への合わなさやかなり無理をして学校に行っていた場合は、上記のようなメカニズムが働いている可能性があります。
※ちなみに上手のテイクチャージでは人間脳を「新しい脳」、動物脳と爬虫類脳を「古い脳」として記述しています。
<参考文献>
ウィリアム・グラッサー著「テイクチャージ」
②栄養とパニック障害
また、不登校の時期に起こるパニック発作の原因としては栄養不足が挙げられます。
「なぜ栄養不足?」と思われるかもしれませんが、成長期・思春期の時期と言うのは、体の変化に成長が追い付いていないこともしばしばあります。
例えばタンパク質や鉄分といった体の成長に必要な栄養が慢性的に不足してしまい、バランスが崩れてしまうことも珍しくはないのです。
朝起きれない起立性調節性障害も鉄分不足、タンパク質不足が原因であることは少なくありません。
また、過呼吸や動悸、めまい、手足のしびれ、息が吸えなくなる、こういった症状は実は鉄分が不足した場合でもよく起こります。
また、反応性低血糖といって、甘いものや糖質を取ったときに、血糖値が急降下してしまう症状があります。
血糖値が下がると急にめまいや眠気が起こったり、過呼吸のような症状になったりする場合があります。
酷い場合は、そのまま気を失うというケースもあります。
こうした症状が「甘いものを食べると収まる」という傾向があれば、反応性低血糖の可能性はかなり大きいでしょう。
もし栄養不足からパニック障害やうつ病、起立性調節性障害が疑われると思われた場合は、下記の本を読んでいただくとかなり見えてきます。
どれも栄養療法に関する本です。
画像をクリックすれば、詳細ぺージにジャンプします。
<参考文献>
藤川徳美著「薬に頼らずうつをなおす方法」
※途中でパニック障害の事例が乗っています。
藤川徳美著 「薬に頼らず子どもの多動・学習障害をなくす方法」
※起立性調節性障害や不登校の事例が出てきます。
溝口徹著「うつは食べ物が原因だった」
※糖質とパニック障害が書かれているページがあります。
パニック障害が原因で不登校となった場合の対処法
パニック障害が不登校の原因だった場合は、解決策は一つ。
つまり、パニック障害を治すことです。
最初にパニック発作が頻繁に起こる場合は、パニック発作の治療を始めましょう。
第一選択は心療内科に通院されることですが、それで全く改善しないと思えた場合は、分子整合栄養療法をしている医師に診てもらうと良いかと思います。
「栄養療法 血液検査+地名」とかで探すと、結構出てきます。
もしくは上述の本にも栄養療法ができる病院は書かれているので、参考にしてみてはいかがでしょうか?
で、予期不安や広場恐怖の部分はカウンセリング等の支援を受けることが第一です。
今までトラウマ級の発作が起こってきたのですから、外に出るのが怖くなって当然だと言えます。
そこから少しずつ外に出る訓練をして、「大丈夫だ」と思えるように進めていくことが大切です。
そういったカウンセリングもできる医師と連携をしながら取り組んでいきましょう。
最後に
最後にパニック障害の原因についていろいろと言われていますが、親子関係が原因である可能性は結構低いです。
まあ、過度な虐待とか暴言で脳に損傷を負っているようなケースくらいでしょうか。
なので、「私の育て方が悪かったから」なんて思わないでくださいね
※ただ、この辺りは立場によって考え方が異なります。私は「親の育て方はパニック障害には関係ない」という立場ですが、そうじゃない人もいます。
もちろん、親の何気ない一言で子どもが大きく傷ついてしまい、過呼吸などの症状が出てしまうことがあります。
その場合は、何が傷ついたのかを一つ一つ整理していき、時間を掛けながらその子に合った関わり方を見つけていくことが大切です。
そのため、お父さん、お母さんがカウンセリングを受けることで、子どものパニック障害(この場合は、発作ですが)を止めたり、治療効果の高い関りができるケースもあります。
もし、お子さんのパニック発作の原因がわからなければ、ぜひ当ルームのカウンセリングをご利用ください。
一緒に何が原因かを考えていき、そしてどうすればいいかを一緒に考えていけたらと思います。
まとめ
この記事のまとめです。
今回はパニック障害について書かせていただきました。
もちろん、パニック障害の原因は十人十色です。
なので、丁寧なアセスメント(分析)をしていくことが必要です。
そのため、できれば自己判断をせずに、専門家に確認していくことが大事です。
今回は代表的な2つの原因についてお話をしました。
皆さんのお役に立てれば何よりです。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
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