不登校の解決の基本は、何よりも「親が変わる」ということ。
でも、どう変わればいいのかぴんと来ない方も多いですよね。
親の会に行って、いろんなお母さんやお父さんの話を聴いたけど、「じゃあ、自分がどう変わったらいいの?」と余計に自信がなくなった・・・
そんな親も多いのです。
今回は5000件の経験から見出した「不登校校が解決するときの、親が変わるってどういうこと?」についてお話をして行きたいと思います。
この記事を読めば、なんとなくですが、「あ、こういう心境になったらいいのかな?」というのが見えてくるようになりますよ。
まず最初にお伝えしたいこと
まず最初にお伝えしたいことですが、親が変わったからと言って、急に子どもが学校に行きだすということはありません。
期待させてしまったとしたら申し訳ございません。
親が変わって1週間後に子どもが自分から制服に着替えて学校に行きだした。
というケースは全くないわけではないですが、大抵は少しずつ子どもが元気になって行って、2~3ヶ月かけてやっと動き出すような感じです。
なので、そんなに派手な変化はありません。
むしろ、急に学校に行きだす、勉強を頑張りだすといった、いきなり大きな変化が起こる時は大抵子どもが無理をしているというときです。
そしてすぐに潰れてしまうケースが圧倒的に多いです。
カウンセリングでも「急にクライエントが変化しだしたら警戒しろ」と言われるくらいなので、良い変化は「地味は変化の連続だ」と覚えて頂ければと思います。
どんな心境の変化が訪れるのか
では、不登校が改善しだしたとき、お母さん、お父さんにどんな心境の変化が訪れるのでしょうか?
良い変化としてはどっしりと構えて、子どもがどうなっても大丈夫だ!と思えるような心境です。
子どものことを心から信頼していて、一緒に前に進んでいこう、また「学校に行かない時期を一緒に楽しもう」という状況です。
ちなみに、あるお母さんは私のカウンセリングを受けて、こんなことをお話してくれました。※一部改変しています。
「息子が学校でいじめられて不登校になってから本当に毎日が辛かったです。
いじめていた子たちやその親を恨んだり、なんで私たちがこんな目に合うんだと毎日考えていました。
先生のカウンセリングで子どもを理解するということを取り組むようになると、息子の良い面が段々と見えてくるようになりました。
すると、息子があんなに辛いことがあったのに、それでも前に進もうと頑張っている姿が見えてくるようになったんです。
息子が前を向こうとしているのに、私が後ろばかり向いていたら、そりゃ不登校は解決しないなって思うようになりました。
それから私も「今をどう楽しむか」に切り替えるようになりました。すると不思議ですよね。段々と家族に笑顔が増えてくるようになったんです。
以前は昼夜逆転状態で、ゲームばかりしていたのですが、「そろそろちゃんとしないと」といって、自分で目覚ましを掛けて、朝起きるようになりました。
「あ、この子は大丈夫なんだ」と思って、今は息子の可能性を信じて一緒に成長していきたいと思います。
この子は今別室登校を初めて教室復帰を目指しているとのことです。
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突き抜けたという感覚が大事
ここで面白い表現をした方がおられました。
あるお母さんを親の会に紹介したくて、そこのサポートをしている方(不登校のお母さん)とお話していたのですが、その方がこんな表現をしたのです。
「その方って、突き抜けています?」
あ、その表現良いな!!って思いました。
子どもと一緒に不登校を乗り越えたお母さんは、どこか突き抜けたところがあります。
何が突き抜けたのかは一言では言えないのですが、「子どもはこうあるべきもの」「親はこうあるべき」といった価値観の壁を突き抜けたような感覚です。
こういう心境になると、親は子どものことを「あるがまま」として見れるようになります。
多くの不登校のお母さんとお会いするのですが、子どもと一緒に乗り越えたお母さんは「この子はこの子で大丈夫!」といったどこかどっしりと構えているような安心感があります。
人間として成長した感覚を感じさせるのです。
それまでの苦労や苦悩、苦節も大切
子どもが不登校になってから、突き抜けるまで、親としてはかなりの苦悩があります。
「行かなくなったら、手放しで喜びましょう」とできるのは、元不登校だったお母さん、お父さんくらいじゃないでしょうか。
多くの親は子どもが学校に行かないと言うだけで、大きな精神的なダメージを受けます。
なぜなら、元気に学校に行っている姿が親の中の理想像として強くはびこっているからです。
それを取り除くのは容易じゃありません。
本で読んだことを鵜呑みにして「この子は大丈夫だ!」と思うようにしても、ふと通学中の同学年の子を見えると、涙があふれてしまうといったお母さんも少なくないのです。
その中で、子ども理解を深めていき、子ども自身が一番苦しんでいるんだということを体感できるようになっていくと、自ずとどう関わればいいかが見えています。
そして、その中で子どもが変化していくのが見えてくるようになると、少しずつ突き抜けた感覚がつかめてくるようになります。
もちろん、山あり、谷ありです。
納得しようと思ってもできない・・・
もう無理だ、しんどい・・・
なんでここまで子どもに合わせているのに・・・
そういう負の感情を抱くのは普通のことです。
でも、それを受け入れながら、子どものことも受け止めていく作業を通して、段々と親自身がしなやかに強くなっていくのです。
突き抜けた親は少しのことでは動じない
突き抜けるまでいった親は、少しのことでは動じなくなります。
それは先ほど挙げた苦労や苦悩をたくさん経験したら心が鍛えられたからだと思います。
例えば、子どもが「明日学校に行ってみようか」と言ったとき、まだ突き抜けていない親は子どもの言動に一喜一憂して感情が不安定です。
「え?行くっていった!!やったー」とうれしくなり、結果として起こるのは子どもを手放してしまうということです。
そうなると、子どもは1週間ほどで学校に行かなくなり、その様子に落胆してしまい、子どもを責めたり、落ち込んでしばらく考えられなくなります。
逆に、突き抜けた親は子どものことを冷静に見ながら、「うーん、多分1週間くらいでつぶれるかもしれないなあ」とどこか冷静です。
結局行けなかったとしても、「そっか、よく頑張ったね」と心から子どもの頑張りを伝えることができます。
「どちらも学校に行けてないじゃん」と思われるかもしれませんが、大事なのは子どもがどう感じたかです。
前者だと、子どもは「またお母さんを悲しませた。自分はダメだ」と思って落ち込み、自己嫌悪になります。自分を責めることにエネルギーを浪費ので、そこから立ち直るのにはかなりの時間がかかります。
後者の場合は「よかった。自分の頑張りを受け止めてくれている」と感じるので、失敗したとしても子どもはしっかりとエネルギーを充電できるようになります。
エネルギーの充電とは「前に進むための力」となります。
失敗したって良いという姿勢が大事
大事なのは、失敗したって良いということ。
失敗を恐れて前に進むのをあきらめるよりも、失敗してそこから学んで先に進めるかどうかというのが大切です。
むしろ、そういう子の方が社会でもしぶとく生きていけるようになります。
親が突き抜けるということは、子どもが安心して前を向くためのエネルギーを与えられるということになります。
その積み重ねで、子どもは自分で考えて先に進めるようになるのです。
逆に突き抜けていない状態であれこれしても、子どもは前に全く進めなかったり、無理やり進まされるだけなので、却って潰れやすい子になってしまいます。
こうした「失敗しても大丈夫だ!」と親子共に思える心境こそ、不登校が改善しつつあるときの一番の変化かもしれません。
まとめ
今回の記事はいかがだったでしょうか?
ちなみに、まとめとして、どうすれば「突き抜ける心境」になれるのか、そのヒントをお伝えしたいと思います。
それは、
子どもを理解し続けるということです。
特に不登校の原因を押さえた上で、子どもの生まれつき性格から、その子の気持ちをしっかりと理解し続けること。
これができるようになると、親としてどう関わっていいかがわかってきます。
その繰り返しで、親子の絆が深まっていくので、親の心境がどんどん安心感が出てくるようになるのです。
これがヒントになります。
ぜひ、もっと知りたい方は、下記のセミナーを受けてみると良いでしょう。
それではまた♪
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