前回の記事ではフリースクールとはどんな所かについてお話ししました。

フリースクールの特徴は、「生きる力を伸ばしていく」ために、不登校の子どもの特性を踏まえた取り組みをされているということです。
ただ、フリースクールの様子や状態については多くの方が分からないままでいます。
そのため、一昔前は子どもが行きたいと言っても親の方が「あんな所に行って何の意味があるの?」と止めたり、子どもの意思を確認せずに無理やりフリースクールに行かせようとしてかえって親子関係が悪化するといった事案もありました。
こうした問題はフリースクールと子どもの気持ちの両方を理解していくことで解決できます。
前回はフリースクールについてお話ししたので、この記事ではどんなタイミングで行かせた方がいいのかについて書いていきたいと思います。
フリースクールに関する3つの誤解
まず、最初にフリースクールに関する3つの誤解についてお話しします。
3つの誤解とは、フリースクールに行けば
- 学校に行くようになる
- 自然と子どもが元気になる
- 何もしなくても不登校が改善する
です。
少し見ていきましょう。
1) 学校に行くようになる
まず、一番の誤解は「フリースクールに行けば学校に行くようになる」です。
そもそもの話、フリースクールの目的は学校復帰ではありません。
それについては少しずつですが、国も認めるようになってきています。
フリースクールで目指すものは「子どもが社会の中で幸せに生きていく力を身に着けていくこと」です。
なので、フリースクールに行っても、全く学校に行かないまま、卒業するケースもたくさんあります。
もちろん、フリースクールに行ったことで自分らしさを取り戻し、学校復帰に至ったケースもありますが、それ以外のケースもたくさんあるということです。
なので、「フリースクールに行けば学校に行けるようになる」と思って行かせないようにしてください。
あくまでも、「子どもの生きる力を身に着ける場所の一つだ」というくらいの認識で置いていくと良いでしょう。
ちなみに、多くのフリースクールの設立のきっかけは、親の会で「子どもが元気になったけど外に出る場所がない」という保護者や当事者の悲痛な訴えからでした。
東京シューレが設立された1985年は「学校に行かないのは精神的におかしな構造をしている」と強く信じられていた時代です。
その中では学校以外で子どもが過ごせる場がなかったのです。
そうした社会状況で生みだされて、今日まで発展してきました。
こうした歴史についても、しっかりと理解しておくことが大事ではないかと思います。
2) 自然と子どもが元気になる
例えば、家の中でひきこもっていて全く外に出れないくらい元気がない子。
そんな子を「フリースクールに入れれば元気になるのではないか?」と考えるお母さん、お父さんの気持ちは大変わかります。
しかし、家の中で元気がない子がフリースクールに行ったから元気になる確率は限りなく0に近いです。
フリースクールに行って元気になるケースは、子どもがある程度家の中でも元気に過ごせるようになってきた段階です。
私は3つのいく(育)を提唱していますが、
それは家の中で子どもが元気を取り戻すためのステップでもあります。
まずは家の中で元気になるということが前提であり、そのためにはお母さんやお父さんが子どもを理解していくということが大事だということです。
それが不十分な状態でフリースクールに連れて行っても、フリースクールでもエネルギーを消耗してしまい、かえって悪化することもあります。
なので、まずは家の中で元気になること、その上で子どもが「フリースクールに行って自分を変えていきたい」と思えるようになったら、つなげていくというステップが大事です。
ちなみに、「あ、この子はフリースクールに行けるな」と思える瞬間というのは、親は全くエネルギーを使わずに、子どもがスーッと行きだすことがほとんどです。
親の方が「あれ?行くの?」と戸惑うくらいです。
それくらい元気になってからフリースクールにつなげるのが理想です。
3) 何もしなくても不登校が改善する
では、フリースクールに行ったら、何しないで不登校は改善するかというと、そうではありません。
中にはフリースクールに入会したものの、行くのがしんどくて3年間ずる休みを続けた子もいます。
さらに、フリースクールに行くようになったのはいいものの、行ったり行かなかったりを繰り返す子もいます。
「1日行ったら3日は行けない」を繰り返す感じですね。
その都度、親はヤキモキしますが、それは当然の感情です。
大事なのは、その時の子どもを理解し続けるということ。
子どものことが分かるようになるにつれて、「あ、そうか、今こんな感じなんだ」というのが見えてくるようになります。
私はフリースクールや通信制高校に行っている子のお母さんのカウンセリングをすることも多いですが、やはり三歩進んで二歩下がるという感じです。
その都度、子どもの理解を深めていき、親としてどう声掛けをしていけばいいかを一緒に考えていきます。
親は何もしないでいいわけではありません。
子どもの様子からいろんなことを考えていき、そして見守りながらタイミングを見て声掛けをしていくということが大切です。
そのためには、子どもを理解していくということがとても必要になります。
そうしたフリースクールを利用しながら、親子二人三脚で歩んでいくということが大事ではないかと思います。

子どもを行かせるタイミングについて
フリースクールに子どもを行かせる(この言葉はあまり適切じゃないですが)タイミングについては、「子どもが元気になってきたとき」に限ります。
ただ、それだけでは不十分です。
それに加えて「子どもがフリースクールに行くことに納得していること」が必要です。
不登校のお子さんは、とにかく「普通」に拘ります。
なぜなら学校に行けない自分は「普通じゃない」と思っているからです。
学校に行くと苦しくなるのか、
私のことをわかってくれないのは普通じゃないからか、とぐるぐる考えています。
これは大人や周りが言わなくても、そう思っていなくても、自分から考えてしまっていることがほとんどです。
その理由は世間の価値観そのものが、
「学校に行くのが普通」「学校に行かないのは異常」
と捉えているためです。
そして繊細な不登校の子はそうした価値観を感じ取るので、常に苦しんでいます。
その時に、フリースクールのことを伝えても、「異常な子が多いフリースクールには行きたくない」と思ってしまう子もいます。
そこで説得しようとすると、「何でわかってくれないの?」と余計に反感を買ってしまいます。
なので、まずはお子さんの意思を尊重しましょう。
子どもが元気になったとき、そして納得できたときがフリースクールにつなげていく一番のタイミングなのです。
フリースクールのつなぎ方
子どもが「フリースクールに行きたい」と言い出したとき、親はどういう風に対応したらいいでしょうか?
まずは、こう聞いてみることをお勧めします。
「自分で探す?お母さんが探しておく?一緒に探そうか?」と。
(質問をするときは3つ選択肢を入れることがポイントです)
その時の子どもの反応や答えを見ていきながら、その子に合ったところを見つけていきましょう。
ちなみに、その子に合うかどうかの判断基準ですが「子どもの感性を信じること」に尽きます。
不登校の子どもは感受性が鋭いため、自分に合ったところを感覚的に見つけていく力があります。
なので、実際に見学に行って、子どもの感覚を信じていく形で探していく、つなげていくということが大事なのです。

まとめ
今回はフリースクールに対する3つの誤解と、行かせるタイミングについてお話ししました。
私はフリースクールに行く前の子どものお母さんと会うことが多いので、「フリースクールを提案したけど断られました」という話もよく聞きます。
で、よく聞くと、大抵が
「まだそこまでの元気がなかった」
「子ども自身が納得していなかった」
という結論に行きつきます。
不登校支援に大切なのは「親の理解」です。
そして、親子の絆を深めていき、親子が成長していくことが大切です。
フリースクールは、不登校を解決するものではなく、親子が成長し子どもが自分らしく生きる力を育てていくための手段の一つとして捉えていけると良いのではないかと思います。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
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